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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/28 05:00)
植物にお酢の成分である酢酸を加えると、乾燥に強くなることを、理化学研究所などの研究チームが発見した。遺伝子組み換えに頼らない、干ばつなどへの対処法に役立つと期待される。論文は英科学誌ネイチャー・プランツ電子版に掲載された。
理研植物ゲノム発現研究チームの金鍾明研究員と関原明チームリーダーらは、シロイヌナズナを使った実験で、乾燥にさらされた植物の体内では、酢酸が作り出されていることを発見した。また、外から酢酸を与えると、植物の組織が傷ついた時に働く遺伝子群が活性化することも分かった。
実際にシロイヌナズナに11日間水を与えず乾燥させた後、3日間再給水した実験では、乾燥前に9日間、酢酸を含む水を与えていたシロイヌナズナだけが復活。水だけやクエン酸など他の酸を加えたシロイヌナズナは元に戻らなかった。また、イネやコムギなどの作物種でも効果があった。
農業などへの応用可能性について、金研究員は「実際の土壌との関連はまだ分からないが、あげる水の量を減らせたり、かんがい施設がなくても緑を維持できたりすることにつながるかもしれない」と話している。
(2017/6/28 05:00)
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