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[ エレクトロニクス ]
(2017/7/5 05:00)
【名古屋】豊田合成は2017年内にも自然光に近い発光特性を持つ発光ダイオード(LED)「太陽光LED」の量産を始める。紫色LEDに複数の蛍光体を組み合わせることで、対象物を色鮮やかに見せることができる。製品の外観検査や色校正などの需要を見込んでいる。LEDを含む同社の光学関連事業は現在は営業赤字となっている。産業用途などを開拓して18年度の黒字化を目指す。
開発した太陽光LEDは、ベースとなる紫色LEDに赤や緑、青色の蛍光体などを混ぜることで、太陽光に近い光を実現した。特に従来のLEDと比べて波長の長い赤色の発光特性に優れており、屋内でも屋外と同じような光を再現できる。
既にサンプル出荷を始めた。例えば自動車の外観検査用や洋服の展示用、撮影用照明などに需要があるとみて提案している。また自然光に近い「やさしい光」である点も生かし、オフィスや医療機関・保育施設などでの生産性向上に向けた研究も外部と共同で進めている。
同社は91年に世界で初めて窒化ガリウム(GaN)系の青色LEDを開発。95年に事業化した。
ただ主要用途の液晶バックライト向けが不振で、近年は営業赤字が続いている。太陽光LEDの投入に加え、生産体制の縮小など事業再編を加速し、早期の黒字化を目指す。
(2017/7/5 05:00)