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[ エレクトロニクス ]
(2017/8/4 05:00)
NECはリチウムイオン電池事業からの撤退を決断した。電池の心臓部となる正極材の生産子会社「NECエナジーデバイス」(相模原市中央区)を中国の投資ファンド、GSRグループに売却する方向で協議に入った。NECは2007年に日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」向けを軸にリチウム電池事業の成長戦略を打ち上げたが、需要が伸びず、約10年で撤退を余儀なくされる。自動車向け以外では、販売不振の家庭用蓄電システムからも撤退する見通しだ。(編集委員・斎藤実)
NECエナジーデバイスは売上高150億円、従業員は約400人。日産以外の大量供給先を模索していたが、見通しが立たず、縮小・撤退モードに入っていた。
NECが当初描いていた戦略は、日産リーフ向けで量産効果を生み出し、家庭用や業務用でもコスト競争力を高めて新しい市場を作ることだった。しかし事業の要であるリーフ向けで思うような数量を確保できず、限られた設備投資の中で生産性向上などでやりくりしてきた。
一方、日産はEV用の車載電池を内製主体から外部調達に切り替え、NECとの共同出資会社「オートモーティブエナジーサプライ」(AESC、神奈川県座間市)についても株式売却を決定。日産がAESC株を売却するタイミングで、49%を出資するNECも株式を手放すとみられていた。
NECは自動車や家庭用電池事業以外に、大容量の系統向けリチウムイオン蓄電池ソリューションを手がけている。大容量の蓄電池システムは、米A123システムズから事業部門を買収し取得した製品。同システムの心臓部はNEC製ではないことから、このビジネスは継続しスマートエネルギーソリューション事業として展開し拡大していく方針だ。
スマートエネルギーソリューション事業は、新野隆NEC社長が就任当初から戦略の見直しを表明。すでに成長戦略からは外れ、電池事業についてはスマートエネルギーソリューションからは切り離し「その他」部門に区分されている。
(2017/8/4 05:00)
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