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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/5 05:00)
東京大学大学院理学系研究科の姜継安大学院生や土居守教授らは、巨星が寿命を迎え爆発する「超新星爆発」の引き金となる現象を発見した。国立天文台の「すばる望遠鏡」で、爆発後数日以内の「Ia型超新星」をとらえることに成功。炭素と酸素からなる高密度の星「白色矮星(わいせい)」の外側の層にあるヘリウムが核融合を起こすことで、衝撃波が内部に伝わり、星が爆発したというシナリオが成り立つことを示した。
Ia型超新星は非常に明るく、似たような最大光度を持つため、宇宙空間の距離を測るための指標として使われている。この超新星の爆発機構の解明だけでなく、超新星の標準光源として精度向上にもつながる可能性がある。
すばるの超広視野主焦点カメラを利用。100個以上の超新星の中で、爆発から数日しか経っていない超新星を発見した。解析の結果、近くにある星から白色矮星に降り積もったヘリウムが核融合を誘因し、ヘリウム層が爆発したとするモデルの計算結果が、観測結果をうまく説明できることを明らかにした。
京都大学や米ワシントン大学、欧州南天天文台などとの国際共同研究。成果は5日、英科学誌ネイチャーに掲載される。
(2017/10/5 05:00)