[ オピニオン ]
(2017/11/28 05:00)
東京オリンピックを前に、来年9月に茨城県つくば市でもうひとつの五輪が開かれる。世界各国から中等教育課程の生徒(高校生相当)が集まり、知力を競い合う「国際科学オリンピック・情報」である。
1959年に東欧で行われた国際数学オリンピックが始まり。今では100カ国以上の生徒が参加し、科目も数学、化学、生物学、物理、情報、地学、地理の7教科に増えた。日本は90年の数学に初参加し、2008年以降は全科目に参加する。
04年に3000人だった国内参加者は、昨年、数学の6700人を筆頭に全科目で2万人弱に達した。約1年かけて選考し、各科目4―6人を代表に選ぶ。将来の科学を担う若者たちが、ライバルやパートナーになるかもしれない国内外の仲間と触れ合う貴重な場である。
事務局の科学技術振興機構によると「スポーツの五輪だけでなく科学五輪にも力を入れたい」と、20年以降、生物学、化学、物理、数学と4年連続で日本開催が決まった。課題は1開催当たり3億円前後かかる資金集めだそうだ。
国が半分出資し、残りは実施団体の学会などが寄付を募る。関係者は「日本の将来を担う人材育成のためにも企業にはご協力を」と呼びかけている。
(2017/11/28 05:00)