[ オピニオン ]
(2018/3/13 05:00)
東京都心は再開発ラッシュ。道路を引き直し、街区ごと高層化する大規模プロジェクトが何件も進んでいる。完成すれば見慣れた景観が一変する。
月末に開業する「東京ミッドタウン日比谷」もそのひとつ。戦前の名建築として知られた三信ビルなどの跡地に地上35階の巨大ビルが建ち、シネマコンプレックスや空中庭園を備える。目抜き通りに面し、向かいは日比谷公園だから採光も抜群だ。
この案件に限らず、最近の都市型再開発は熱電併給(コージェネ)システムを設置してエネルギー効率を高めているのが特徴。さらに欲張って、中規模の太陽光発電所を併設できないものか。駐車場50台分の広さがあれば0・1メガワットの発電が可能になる。
コスト増は容積率などの規制緩和による収益性向上でカバーできよう。南側の眺望や建築意匠の制約、近隣への反射光などは業界の知恵を集めれば克服できる。遠隔地のメガソーラーからの送電網の不足の問題を考えれば、時間をかけても都市を地産地消型に変えていきたい。
移転が決まっている大手町の気象庁の跡など、具体化していない再開発の候補も少なくない。黒い太陽光パネルを上手に使ったビル群が、未来の都市景観を変える。そんなことを考える。
(2018/3/13 05:00)