(2020/6/23 05:00)
関西電力の株主総会が、同社役員らによる金品受領問題の発覚後、初めて25日に開かれる。経営陣は一連の問題に対し、丁寧に説明し、改革への決意を示してもらいたい。
総会は新型コロナウイルス感染症対策として、株主に対し総会の模様を初めてインターネットで公開する一方、書面やインターネットで事前の議決権行使や総会当日の来場を控えるよう呼びかけている。
総会を前に、関電の動きはあわただしかった。関電は八木誠前会長や岩根茂樹前社長ら旧経営陣5人に対し、金品問題などで会社に損害を与えたとして総額19億3600万円の賠償を求め、16日に提訴した。会社として一つのけじめをつけた形だが、外部の圧力に押され、提訴に踏み切った感は強い。
株主招集通知に誤記載があり、一部を修正した。社外取締役候補である検察OBの弁護士が金品受領問題の発覚前に関電側の相談に乗り、その一端を知る立場にあったとした。
森本孝社長ら現経営陣は、金品受領や役員報酬の補填にからむ一連の問題について、経緯や対応策をしっかりと株主に説明し、理解を得る必要がある。
総会では、榊原定征前経団連会長など社外8人を含む取締役13人の選任や、経営の執行と監督を明確に分離し外部のチェックが厳しい指名委員会等設置会社への移行が提案される。新しい会社形態では役員の人事と報酬、監査の役割を担う3委員会の委員長には、すべて外部取締役が就く予定だ。
非常勤ながら新会長に就任予定の榊原氏には東レの経営者、財界トップを務めた経験を生かし、スピード感を持って関電の改革に手腕を発揮してもらいたい。榊原氏はエネルギー政策にも明るい。金品問題の原因となった関電の原子力事業本部の透明性ある運営にも、しっかりと関わってほしい。
生え抜きの経営陣が覚悟を持って改革に取り組むことは最優先だ。「今回生まれ変わらなければ、明日の関西電力はない」とする、森本社長の姿勢を総会で見せてもらいたい。
(2020/6/23 05:00)
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