産業春秋/衛星のダブルネーム

(2021/6/9 05:00)

高度600キロメートルの宇宙から、福井県の超小型人工衛星「すいせん」が撮った最初の画像が届いた。カザフスタンの基地からの打ち上げを、福井の官民関係者がライブ映像で見守ったのは3月22日のこと。準備が整い、これから分解能2・5メートルの画像を定期配信する。

この衛星はもう一つの名が「GRUS(グルース)―1D」。宇宙ベンチャーのアクセルスペース(東京都中央区)が同型の機体を多数、運用する中の1機だ。掛け持ちで、福井県の利活用計画のため働く。

福井で慎重に見守る一人が青柳賢英さん。衛星製作の産業化を狙う福井県の取り組みを受け、2020年から福井大学で企業人材の育成を担う。100キログラム級のすいせんより、ぐっと小さい10キログラム弱のキューブサットに焦点を合わせている。

小サイズに高機能を盛り、強い放射線や激しい寒暖差の宇宙で「死なない衛星にする独自の工夫がある」と青柳さんは解説する。学生だった20年ほど前の草創期に足を踏み入れ、技術進化に取り組んできた。

超小型衛星はプレーヤーが多様化し、競争も活発。地方都市の官民プロジェクトのすいせんが“ダブルネーム”で輝けるように―。梅雨の晴れ間の空を見上げる。

(2021/6/9 05:00)

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