産業春秋/中川運河

(2021/6/29 05:00)

東洋一の大運河と呼ばれた、名古屋の中川運河の活性化策が議論されている。名古屋港と都心部を結ぶ全長10・3キロメートル。色鮮やかな水上バスが運航するが、船の往来はピークだった1964年の約4%にとどまる。

鉄鋼、建設会社などでつくる日本プロジェクト産業協議会(東京都中央区)は中川運河の再生策として、鉄道や空飛ぶクルマを含む「次世代モビリティー網の整備」を提案した。水運利用の落ち込みは高度成長期の道路網整備が理由だが、より高齢化する近未来には人が主役のまちづくりが欠かせない。

運河周辺は近年にぎわっている。リンナイは地元の文化芸術活動を支援し、愛知ドビーは鋳物ホーロー鍋の体感施設を開いた。岡谷鋼機は昭和初期の倉庫を再現して景観に貢献する。

武山鋳造会長の武山光治さんは運河沿いの緑化を提唱する。「海から高層ビル群への風の通り道にしたら猛暑対策の一助になる。“行きたくなるエリア”になりつつあるのはうれしいね」。

かつて一帯はトラックが行き交い、似たような工場風景が続いた。運河にかかる橋を取り違え、バス停までかなり歩いた記憶がある。時代で輸送手段を変えてきたモノづくりの進化にも期待したい。

(2021/6/29 05:00)

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