(2022/5/20 05:00)
米韓首脳会談が21日、ソウルで開かれる。バイデン米大統領は日韓関係を改善し、インド太平洋地域における対中国政策を推進したい意向を示しており、韓国の対日政策に変化の兆しが見られるかを見極めたい。
米国は、韓国の保守政権発足を歓迎している。韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が、中国・北朝鮮に配慮してきた文在寅(ムン・ジェイン)前政権から方針転換し、米韓同盟を外交・安全保障政策の基軸に据えているためだ。
米韓首脳会談では、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射や核実験の可能性などを踏まえ、米韓同盟を強化していくことを確認。朝鮮半島の完全非核化に向けて緊密に連携することも確認する。さらに米国主導で形成する新たな経済圏「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」への韓国の参加も協議する見通しだ。
米国は、中国による東シナ・南シナ海への海洋進出や、ウクライナ情勢が台湾海峡有事に波及する事態を警戒する。中国はソロモン諸島とも安全保障協定を結んでおり、米国主導のインド太平洋地域での新経済圏づくりや安全保障体制の強化を進めたい意向を示している。
今回の米韓首脳会談で米国が最も確認したいのは、韓国が中国と今後どう対峙していくかだろう。中国もこの会談に注目し、米国とやや距離を置いていた文前政権からどの程度方針が転換するかを見ているはずだ。
韓国は難しい対中外交を迫られる。韓国にとって中国は最大の貿易相手国で、韓国製半導体の最大の供給先は中国だ。韓国は対中貿易で日本と同様のジレンマを抱えており、日韓は中国と不即不離の関係を継続することが求められよう。
尹大統領は10日、林芳正外相から岸田文雄首相の親書を手交され、日韓関係の正常化を望む意志を伝えると同時に、日韓首脳会談の早期開催を求めた。林外相が指摘したように、関係改善には元徴用工、慰安婦問題などの両国間の懸案を解決することが前提となる。ボールは韓国側にあり、早期に投げ返してくることを期待したい。
(2022/5/20 05:00)
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