(2022/7/7 05:00)
新型コロナウイルス感染症の新規感染者が全国的に再拡大し、東京都は6日に8341人と前週の水曜日から倍増した。政府は新たな旅行需要喚起策「全国旅行支援」を「7月前半をめど」に開始する予定だったが、参院選後に延期も視野に再考することになった。“第7波”入りした可能性があり、政府は今後の感染状況などを見極め、適切に判断してもらいたい。
全国旅行支援は、現行の「県民割(ブロック割)」の対象地域を全国に拡大した旅行割引・クーポン配布の需要喚起策で、1人1泊最大1万1000円が補助される。県民割が14日に終了するのを受けて実施する予定だったが、県民割を延期する次善の策も政府は検討する。東京都の小池百合子知事は6日、「(感染が)かなり早いスピードで広がっている」と警戒し、愛知県の大村秀章知事も5日に「第7波が来たと言っても過言ではない」と語っていた。
仮に政府が全国旅行支援の実施を決めても、この支援策に参加するかは各都道府県が独自に決める。感染拡大を警戒して不参加の自治体が相次げば、支援策は事実上骨抜きになる。そうなる前に政府が適切に判断することが求められる。
最近の新規感染者の増加は、ワクチンの3回目接種や感染により得られた免疫が時間の経過で低下している中、感染力の強いオミクロン変異株「BA.5」への置き換わりが進んだためと見られている。また行動規制の緩和や、暑さによる室内活動の長時間化、不十分な室内換気なども影響しているようだ。
感染防止の基本対策を各人が徹底し、若者の3回目、高齢者の4回目のワクチン接種も推進する必要がある。感染と熱中症の双方への対策として適切なマスクの着脱も心がけたい。
国内でコロナ感染が初めて確認されて約2年半が経過した。感染拡大の波が起きるたびに、感染対策と経済・社会活動の両立の難しさに直面した。いかに「ウィズコロナ」を進めていくのか。第7波を見据え、参院選で各党が公約に掲げるコロナ禍対策も確認しておきたい。
(2022/7/7 05:00)