(2023/1/18 05:00)
中国国家統計局は17日、2022年の実質国内総生産(GDP)成長率がプラス3・0%だったと発表した。ゼロコロナ政策による混乱と不動産不況に直撃され、政府目標のプラス5・5%前後を大幅に下回る異例の結果となった。ただ世界銀行は23年の中国の実質成長率をプラス4・3%と予測し、底入れの動きが強まるとの見方もある。再拡大したコロナ禍の行方とともに、中国経済の今後の動向を注視したい。
中国の実質成長率は21年のプラス8・4%から大幅に減速し、コロナ禍に直撃された20年のプラス2・2%以来の低成長を余儀なくされた。ゼロコロナ政策による行動制限に加え、中国GDPの2―3割を占める不動産関連事業の低迷が経済を直撃した。
23年の中国経済はゼロコロナ政策の終了に伴うコロナ禍の再拡大がいつ収束するかが焦点の一つになる。感染による死者数などコロナ禍の実態は明らかでない。北京市や上海市はピークアウトに向かいつつあるとの指摘がある一方、内陸部は医療逼迫(ひっぱく)が懸念される。このコロナ禍の影響を除けば中国経済は堅調な推移が見込まれる。中国政府は日韓に講じた水際対策強化の措置も早期に見直し、経済正常化への歩みを進めたい。
もう一つの焦点が不動産市況の行方だ。中国政府は不動産バブル退治で講じていた融資規制などの見直しに続き、住宅ローン金利の引き下げや頭金比率の引き下げなどを22年に講じている。何よりゼロコロナ政策が見直されたことで市況の緩やかな回復が期待される。中国政府は住宅ローン金利などで想定される追加策も確実に実行したい。
世界銀行によると、23年の世界全体の実質成長率はプラス1・7%、米国はプラス0・5%、ユーロ圏は0・0%とほぼ横ばいにとどまると見通す。予想を上回るインフレと金利上昇、ウクライナ情勢が米欧の経済の足を引っ張るとみる。プラス4・3%と見立てる中国経済の動向が世界経済を左右しかねないことに留意したい。日本は中国と安全保障上のリスクを抱えつつも、経済では非安保分野で協力関係を拡大し、景気を下支えしたい。
(2023/1/18 05:00)
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