(2023/3/9 05:00)
日本人宇宙飛行士が活躍する人気マンガ「宇宙兄弟」。宇宙が舞台のSF作品というと、遠い未来の非現実的な世界を描く印象が強いが、この作品の魅力の一つは宇宙開発に携わる人たちのリアルな人間模様にある。
作者の小山宙哉さんは関係者への取材をもとに人物像やストーリーを練り上げるとともに「日本人技術者の励みになるような場面は積極的に描きたい」との思いで回を重ねてきた。
そんな宇宙関係者が大きく肩を落とす事態が相次ぐ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は大型ロケット「H3」初号機の打ち上げに失敗。2022年10月に打ち上げに失敗したイプシロン6号機はいまなお原因調査中だ。
世界の宇宙産業はいま大きな転換点にある。かつて国の威信をかけた開発競争が繰り広げられた宇宙分野に民間企業が相次ぎ参入。機器開発や衛星打ち上げコストが引き下げられ、宇宙ビジネスの拡大に拍車をかける。
日本は商業用人工衛星の打ち上げやデータ活用で巻き返しを図ろうとしていただけに痛手は大きい。打ち上げの見通しが立たなくなったことで戦略の練り直しは必至だ。フィクションの世界なら起死回生へドラマチックな展開が待ち受けるはずだが。
(2023/3/9 05:00)
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