(2023/4/14 05:00)
「黄砂」が東京でも13日に確認された。2021年5月以来2年ぶり、4月としては16年ぶりの観測だ。飛来は北日本から西日本まで広範囲に及ぶ。14日には落ち着くものの、16日には再び西日本などに飛来する可能性があるという。健康管理に留意したい。
黄砂は中国やモンゴルの砂漠から上空に巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風にのって日本に飛来する。環境省資料によると中国では年々、頻度と被害が甚大化している。自然現象とみられたが人為的影響も指摘している。
工業化に伴う農地転換や土地開発、過放牧などによる土地の劣化・砂漠化により、乾燥した土地が増えたという。中国がまとめた2015年の報告によると、中国本土の約27%もの土地が砂漠化していた。
中国による大規模な植林や緑化プロジェクトなどにより、砂漠地は減少傾向にあるという。だが中国の広範囲で大規模な黄砂が飛来している。緑化への道のりは遠い。
工藤静香さんの「黄砂に吹かれて」がヒットした1989年。中国の名目国内総生産(GDP)はドルベースで日本の15%に過ぎず、黄砂の量も少なかったようだ。中国の工業化と黄砂の関連性がヒット曲からもうかがえる。
(2023/4/14 05:00)