【早読み特選】「米国版はやぶさ2」が帰還、試料に水や炭素含有 地球・生命誕生の謎解明へ

(2023/10/17 17:00)

  •          カプセルから回収したベンヌの試料(NASAのYouTubeチャンネルより)

「米国版はやぶさ2」と呼ばれる米航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機「オシリスレックス」が地球に帰還し、小惑星「ベンヌ」で採取した試料が入ったカプセルを届けた。すでに分析を進めており、水や炭素が豊富に含まれていることが分かった。この試料の一部は日本にも送られ、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」で得た試料の分析結果と比べる。はやぶさ2の地球帰還から12月で3年、新たな発見はあるだろうか。

  • ベンヌの試料が入ったカプセルを回収する様子(NASA提供)

NASAはカプセルが帰還してから10日間で分解し、3週間ほどかけて試料の分類・分析などを進める。電子顕微鏡や赤外分光計、化学元素分析、X線を利用した断層撮影を実施し、試料中に豊富な炭素と水が含まれている証拠を得られた。オシリスレックスプロジェクトの責任者で米アリゾナ大学のダンテ・ローレッタ教授は「この成果は氷山の一角。さまざまなデータと組み合わせて調べることが重要」とコメントした。

ベンヌは炭素と有機分子を含むとされるB型小惑星で、C型小惑星に分類されるリュウグウに近い組成。両小惑星の試料の科学データが得られれば、より精度の高い地球や生命の誕生の謎の解明につながる成果が得られると期待される。

またベンヌは地球近傍惑星の一つであり、将来的に地球への衝突が危惧されている天体としても有名。NASAのビル・ネルソン長官は「太陽系の起源や形成につながる成果だけでなく、小惑星が地球に衝突するのを防ぐ『プラネタリーディフェンス』に関する小惑星の種類の理解にもつながる」と強調した。

(2023/10/17 17:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン