(2023/11/2 05:00)
日銀が決断した政策修正への市場の反応は「円安」だった。一定程度の長期金利の上昇を容認することを決め、本来なら円高の材料になるはずだった。だが1日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=151円台と、政策修正前より円安で推移した。
市場では日銀の判断を中途半端と指摘する声もある。日銀が容認する長期金利の上限を「1%」から「1%をめど」に緩め、市場機能に配慮した。だが市場には微調整に映り、米国の歴史的高水準にある長期金利との金利差の方が意識されているようだ。
政府・日銀による為替介入への市場の警戒感が緩和したことも円安要因になっている。市場は1ドル=150円を介入ラインと警戒していたが、財務省は10月に介入実績がなかったことを10月31日に発表している。
1日の新発10年物国債の利回りは一時0・97%と約10年5カ月ぶりの高水準を付けた。米国の長期金利が、金融引き締めの長期化観測から5%をうかがう高水準にある。つれて日本の金利がどこまで上昇し、日銀がどう反応するかが当面の焦点になる。
株式市場は円安を好感する。1日の東京市場は前日の米株高と円安を受けて続伸した。円安の利点にも時に目を向けたい。
(2023/11/2 05:00)
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