(2023/11/28 12:00)
愛知銀行の健康経営の取り組みは、地方銀行の中でもトップクラスにいる。経済産業省と東京証券取引所による健康経営銘柄2022を取得。同表彰は毎年度、原則1業種1社にしか与えられない。「銀行業」の枠にメガバンクや地銀の大手行がひしめく中、地銀としては2行目、第二地銀としては初だった。上位500法人選定と、同銘柄より数の多い健康経営優良法人ホワイト500は2023年まで5年連続で認定取得している。
取り組みの歴史も長くなってきた。健康を重視する取り組みや制度は以前からあったが、18年10月に「あいぎん健康宣言」を制定し「健康経営」として本格的に取り組み始めた。人間ドック受診率やストレスチェック受検率、1人当たりの時間外労働など詳細な指標を示し、目標値と実績を18年度から毎年度公表。その目標をどのように達成するかの戦略マップも併せて公表している。健康経営に取り組むトップは「健康経営最高責任者」である伊藤行記頭取だ。
5年を経て「健康経営は行内に浸透していると実感している」と話すのは、川畑徹志上席執行役員人事部長。より現実的には「部下の心身の健康管理ができて初めてマネジメント」(川畑上席執行役員)との企業文化が定着してきたようだ。
支店長をはじめとする管理監督者、マネジメント層の人事考課の評価項目には、健康に対する取り組み姿勢を入れている。部下の健康に留意しているか、職場環境を整えているかなどだ。従来は業績や部下の育成、不祥事を起こしていないかなどを重視してきた。これらの重要度は現在も変わらないが「23年度下期から健康に関する項目数を増やしてウエートを高めている」(人事部給与厚生グループの長瀬和彦グループリーダー)。川畑上席執行役員は「いろいろな意味で支店長が声がけしていくのが大事。『ああいう支店長になりたいな』と思わせる支店長にならないと、行員たちもそこを目指していきたくなくなる」と話す。
マネジメント層以外にも対象は若手行員や取引先など広く、健康リテラシーの向上やセミナーに活発に取り組んでいる。
(2023/11/28 12:00)
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