(2023/12/19 05:00)
気になる一文が盛り込まれた。「今後、法人税率の引き上げも視野に入れた検討が必要である」。自民、公明両党が決定した2024年度の与党税制改正大綱だ。中長期的な検討課題を大綱に記すのは珍しく、本気度が懸念される。
24年度税制改正は法人「減税」が並ぶ。半導体など重要物資を国内で増産すれば減税し、特許など知的財産で得た所得には税額控除を適用する。賃上げ促進税制は3年延長した上で税額控除を拡大する。
税収中立。減税を実施する場合は、減税による税収減を補う増税も行うべきという考え方だ。24年度は先行減税となったが、与党は中長期的に法人実効税率の引き上げを目指す意向を示す。
賃上げや国内投資に意欲的な企業には減税措置を講じて税負担を軽減する一方、意欲的でない企業は増税となる税体系とし、減税効果を高めることを想定しているようだ。
これまで法人実効税率を段階的に引き下げてきたものの、賃上げと国内投資は低迷し、企業の内部留保ばかりが積み上がったとも大綱は指摘する。ただ実効税率は先進国の中でなお高く、法人増税は中小企業の収益や海外企業の日本誘致などにも影響が及ぶ。与党はくれぐれも慎重な議論を。
(2023/12/19 05:00)
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