(2023/12/22 05:00)
物価には二つの力が働いているようだ。日銀は「第1の力」と「第2の力」を指摘する。後者の第2の力が物価を上昇させる状況になれば、デフレ脱却に道筋が付き、日銀は金融政策の正常化を検討する。
第1の力は、円安による輸入物価の上昇や、海外の物価高が日本に波及するような外部からの力で物価が上昇すること。悪い物価上昇だ。第2の力は、賃金と物価がともに上昇する好循環が回ることで、良い物価上昇である。
日銀の植田和男総裁は消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率について、2024年度にかけて2%を上回るものの、その後は悪い物価上昇が緩和され、上昇幅が縮小するとみる。低下した上昇率が第2の力により、安定的に2%で推移するかが大きな焦点になる。
第2の力として期待される24年春闘。植田総裁は中小企業の価格転嫁が「容易でないという声も聞かれる」と懸念する。中小に発注する大企業などの転嫁への協力が期待される。
その大企業。金融政策の正常化により「金利のある世界」になれば財務に影響が及びかねない。超低金利のぬるま湯から抜け出しても体調を崩さないよう、体力の強化と健康管理は今から心がけておきたい。
(2023/12/22 05:00)
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