(2024/1/25 05:00)
「大災害時に“デマ”は必ず発生する」。防災心理学を専門とする兵庫県立大学の木村玲欧教授は指摘する。能登半島地震でも偽情報・誤情報が会員制交流サイト(SNS)上で拡散された。
確認できる1891年の濃尾地震以降の18の地震・噴火・豪雨を分析すると、発生するデマは6種類に分類できるという。①災害発生因②災害の再来③人的・物的の直接の一次被害④混乱状態における二次被害⑤著名人を騙(かた)った災害対応に対する発言⑥物資や住まいなど被災生活。
能登地震でも人工地震、架空の救助要請、外国人窃盗団の襲来といったデマの発生が伝えられている。救助や復旧の役に立ちそうもない私見もネット上に飛び交う。
悪意を持った偽情報は政治、経済、国際とあらゆる場面で展開される。こうした状況に総務省の有識者会議は、対策を専門に検討する作業部会を設け25日に初会合を開く予定だ。
ただ対策には限界がある。基本はやはり、個々が情報を見極める力を備えることに尽きる。悪意がなくても誤情報は社会に不利益をもたらす。木村教授は「行政やマスコミの公式情報を確認し、根拠が分からないものの拡散には自分は加担しない判断を」と説いている。
(2024/1/25 05:00)
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