三菱電機、米社出資でSiC基板確保 パワー半導体を軌道に

(2024/1/25 12:00)

  • 三菱電機上席執行役員・竹見政義氏 

パワー半導体事業に力を入れる三菱電機。現在はシリコンに代わる大電流特性や耐高温・電圧に優れた次世代半導体である炭化ケイ素(SiC)半導体を軌道に乗せようとする。2023年にはSiCの基板を安定的に確保するため、半導体材料を手がける米コヒレントと提携するなど布石を打つ。半導体・デバイス事業本部長を務める竹見政義上席執行役員に聞いた。

―コヒレントのSiC事業に出資しました。

「SiCの基板はシリコンと違い、どうしても基板の中に欠陥が入ってしまう。(優れた基板の製造には)これを減らす技術が重要で、コヒレントはそれに対して高い実力を持つと考えている。コヒレントに投資して基板を確保することで、基板から最適なチップの製造まで我々の手の内でやっていく」

  • 三菱電機のパワー半導体モジュール

―各社がパワー半導体に投資をしています。

「目先の変動はあるが、車両が電動化していくのは間違いのない流れであり、パワー半導体の需要も今後増えていく。あとは(大型車向けなどに)SiCの需要がどこまで増えていくかだ」

―同じく次世代パワー半導体として有望な、高耐圧や電力損失の少ない酸化ガリウムの研究開発をするノベルクリスタルテクノロジー(埼玉県狭山市)に出資しました。

「まずはSiCでしっかり数を増やしていくが、30年代の半ばに市場投入するのを期待する。試作段階ではできているが、量産ベースに乗るのかはまだ分からない。基板を供給してもらい、デバイスを作成している」

(2024/1/25 12:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン