建機の稼働情報を遠隔管理 コマツ、車両サポート効率化

(2024/3/21 12:00)

コマツは建設機械の営業に「コムトラックス」を有効活用して、効果を上げている。コムトラックスは建機の車両に全地球測位システム(GPS)や通信システムを組み込み、稼働時間や燃料消費量、センサー値、車体の故障コードなどの稼働情報を遠隔で管理する仕組み。顧客に問い合わせることなく、部品などの定期交換のタイミングや車両の不調を検出できるため、効率的な顧客訪問計画を立てられるようになり、限られた営業人員で多数の車両サポートが可能になった。

  • コムトラックスで建機の稼働や位置情報を遠隔管理できる

1996年から研究を開始し、01年には国内機種に標準搭載されるようになった。06年には北米や欧州で販売する機種にも搭載。コムトラックスで個々の建機の稼働状況を知ることで「高額な修理コストが生じる前に顧客に更新を提案することで、新車販売にもつながっている」(建機ソリューション本部改革室デジタルソリューション部の小引康弘部長)という。

稼働時間を見越して段階的なアプローチを取ることもできるため、効率的に営業が行えるという。建機のメンテナンスは現場に行く必要がある。河川の工事や大規模工事などは、どこに建機があるのか顧客に尋ねなければならないなど、探すのに手間がかかる。コムトラックスを自社で確認することで建機の場所などが分かり、効率を向上できる。稼働時間から定期メンテナンスを案内できたり、エラーコードが分かることで現場に行く前に修理内容を検討したりできる。

営業効率化に加え、利益ベースでも貢献している。「特にエンジンやトランスミッションなどのオーバーホールの受注による売り上げ効果は大きく、エンジンやピストンポンプなどの基幹部品を自社開発・生産している強みも発揮される」(小引部長)。中古車をグループ会社を通じて販売する際、車両の生涯の稼働情報の一部を公開することで安心して車両を購入でき、中古車の販売促進にもつながっているという。

(2024/3/21 12:00)

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