(2024/4/1 12:00)
横河電機は社内向け、計測・制御の顧客向けそれぞれでデジタル変革(DX)に力を入れている。その一環として、2024年度から全社で、米オープンAIの生成人工知能(AI)「チャットGPT」を本格導入する。社内の業務データの統合・集約、チャットGPTによる学習などの準備をほぼ整えた。社内、社外問わず幅広い業務を自動化して生産性を向上できると見込む。これにより生まれる時間を有効活用することを狙う。
横河電は社内に10程度ある業務プラットフォーム(基盤)について、一部を除いて、各データを統合・集約する取り組みを23年度にほぼ完了した。狙いの一つが、チャットGPTの導入だ。
統合・集約したデータを専用環境でチャットGPTに学習させることで、社内業務に導入できるようにした。業務データから過去の傾向を解析することで、業務を自動化できるようになる。
想定する業務は幅広い。各種調査などのマーケティング、顧客への提案書作成などの販売、顧客からの問い合わせ対応などのサービス、ソフトウエア開発、客先へのエンジニアリングなどの各プロセスを自動化できると見込む。人事、ITなど社内の問い合わせ業務も自動化できると想定する。過去のトラブル対応のデータも集約することが特徴で、チャットGPTの回答精度に生かす。
自動化により、これらの業務時間を削減できる。奈良寿社長は「じっくり考えるなどクリエーティブな時間を生める」と狙いを明かす。
導入に向け、23年度下期を実証期間と位置付けた。国内主要事業本部の数百人や海外拠点の数百人をキーユーザーとみなし、試験的に専用環境を開放し、チャットGPTを活用してもらった。その後は数千人に活用範囲を広げた。各部門での活用事例やその効果を検証し、本格導入に生かす。
生成AIをめぐっては、業務の情報漏えいが危惧されている。専用環境を用意して活用することで、情報漏えいを予防する。活用方針のガイドラインも定める。
計測・制御大手では、アズビルも社内向けに生成AIを導入し、全社展開を始めた。米マイクロソフト(MS)の「アジュールAI」をセキュリティーを確保した上で導入し、チャット形式の回答で業務を効率化できる。生成AIを活用し、生産性を向上できるかが新たな競争軸になりつつある。
(2024/4/1 12:00)
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