(2024/4/8 05:00)
日銀の追加利上げの行方が注目される。足元の円ドル相場は1ドル=151円台の円安で推移しているが、利上げに動けば過度な円売りに歯止めがかかる可能性がある。だが内需の回復力は弱く、日銀は踏み込んだ決断ができないジレンマを抱える。
2024年春季労使交渉(春闘)が好調に推移している。連合の3回目の回答集計では平均賃上げ率(加重平均)が5・24%と33年ぶりの高水準を維持した。賃上げは物価の上昇につながり、日銀が利上げに動きやすい環境が整う。
日銀が発表した23年10―12月期の需給ギャップはプラス0・02と、3年9カ月ぶりにプラスに転じた。総需要が総供給を上回る環境が継続すれば、利上げにはプラスの材料になる。
日銀は3月にマイナス金利政策を解除し17年ぶりの利上げに踏み出した。ただ政策金利は0―0・1%とほぼゼロ金利政策で、むしろ日米金利差が意識され円安に傾いているのが現状だ。
6月には所得・住民税が1人当たり4万円減税される定額減税が施行され、連合は7月早々にも24年春闘の最終集計を公表する。米国の利下げ観測も遠のいている。日銀はいつ次の一手を打つのか。円安の進行も日銀の背中を押すことになろう。
(2024/4/8 05:00)
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