産業春秋/中国GDP好スタートも先行き懸念

(2024/4/17 05:00)

中国が幸先の良いスタートを切った。中国国家統計局が16日発表した1―3月期の国内総生産(GDP)は実質で前年同期比5・3%増と堅調に増えた。中国政府は2024年に「5%前後」の成長を目指しており、第1四半期から目標をクリアできた。

輸出の増加などに支えられ、同期の鉱工業生産が同6・1%増と増加したことが成長率を押し上げたようだ。ただ同期の不動産開発投資は同9・5%減と大幅な減少。不動産市況の低迷と内需の停滞が、中国の先行きを不透明にしている点が気がかりだ。

中国の3月の消費者物価指数は前年同月比で0・1%上昇した。2カ月連続の上昇で、デフレ圧力は緩和されつつある。だが不動産不況などを背景に家計の節約志向が続いており、失業率も全国平均で5・2%と高止まりの状態にある。

中国政府は24年に1兆元(約21兆円)の特別国債を発行し、景気を下支える計画だ。だが不動産危機への抜本的な対策を打ち出しておらず、先行きは楽観できない。

中国は内需の停滞を補う外需に期待している。だが3月単月の輸出は減少に転じた。中東情勢の行方も予断を許さない。1―3月期の好スタートも、息切れしないか心配になる。

(2024/4/17 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン