(2024/4/17 12:00)
公共インフラ関連を主力に鉄鋼製品の溶融亜鉛メッキ加工を行う眞和興業(愛知県江南市、眞野祥典社長)は、社内で発生する産業廃棄物の廃酸を資源化する独自の資源循環システムを構築し、環境経営を実践している。職場では外国人、女性社員の幹部登用など人材の多様化を進めてきた。持続可能な企業づくりについて眞野社長に聞いた。
―廃酸を資源化する独自のシステムとは。
「廃塩酸に混在する塩化亜鉛と塩化鉄を異なる槽で発生させ、分離・回収してリサイクルする仕組みだ。産廃として有償で引き渡していたものが有価物として扱えるようになり、コスト削減につながる。リサイクル技術を通じてコストを下げ、収益を上げる体質づくりを進めている」
ー事業にどのように生かしていますか。
「一度利用した鉄製品に再度メッキを施して活用する『再生めっき』の提案に弾みを付けたい。廃酸の資源化により環境負荷を抑えながら、低コストで再生めっきができる。溶融亜鉛メッキ自体が鉄を錆から守り、耐久性を付与するリデュースであり、さらに再生めっきによるリユース、他の鋼材と組み合わせて再利用するリサイクルと3Rに基づく事業として推進する」
ー多くの外国人社員が活躍しています。
「国連の持続可能な開発目標(SDGs)の考えを取り入れ、年齢や国籍などにとらわれない組織づくりを目指している。外国人社員は20人を超え、従業員の半数近い。出身国はフィリピン、モンゴル、ベトナムなどさまざまで、現場の責任者を務めている者もいる。仕事に対して非常に熱心に取り組んでおり、働きぶりに感心することは多い。人材の多様化が進むことで、環境変化にも動じない組織づくりができる」
ー社員教育にも熱心です。
「資格取得支援として、技能検定(溶融亜鉛メッキ)を順次受験してもらい、合格者には資格手当を支給している。すでに社員の6ー7割が2級または1級の有資格者だ。また他社に出向いての社外研修など、さまざまな学びの機会を作っている。近年は若手や女性の登用も進めており、意見や提案を出しやすい職場環境になってきたと感じている」
(2024/4/17 12:00)
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