日立建機、国内9拠点で物流改革 24年問題対応 トラック待機時間30分

(2024/6/6 12:00)

日立建機は「物流の2024年問題」に対応して、さまざまな取り組みを急ピッチで進めている。部品サプライヤー46社と協力し、関東―関西間のトラック輸送をトラック計6台から、新開発のウイングトレーラー2台体制に集約した。これに加えて、Hacobu(東京都港区)が提供するトラック予約受け付けサービス「MOVOバース」を、6月から国内の全製造拠点を含む9拠点に導入。拠点におけるトラック待機時間を30分以内に短縮することを目指す。

  • ロジステックトレーラーを新開発した

日立建機の国内拠点には、部品納入や製品出荷のために1日当たり計約1300台のトラックが出入りする。ウイングトレーラーによる車両台数削減は、運転するドライバーの必要人数の削減につながる。

ウイングトレーラーに変える以前は大型部品は10トントラック、小型軽量の部品は4トントラックと、それぞれ分けて配送していた。大型部品は形状や重量の関係からトラック内の積載場所が限られるため車両上部に空きスペースが生じ、輸送のムダが多かった。ウイングトレーラーで大型部品と小型部品を組み合わせて運べる積層架台を開発、大型車両で一度に多くの荷物を運ぶことで効率配送と台数削減を実現した。

「長距離運行をしていた以前は車中泊や車内休憩を交えつつ、翌日の深夜遅くに帰宅する生活だった。改善後は中継輸送導入で毎日、家に帰れるようになり、日曜出発もなくなって土日に家族と過ごせる時間も増えた」。物流子会社である日立建機ロジテックのコンパクト物流部滋賀グループ調達物流係の吉沼孝一氏はこう語る。毎日、帰宅できることで長距離を走ることを嫌がる若者や女性ドライバーの求人もしやすくなり、ドライバー不足解消になると期待する。

  • トラックの予約受け付けをする担当者

他方、トラック予約受け付けサービスは運送事業者やドライバーが作業時間や荷物情報を事前登録することで入場時間の分散を図り、トラックの待機時間削減につなげる。車両の到着順を事前に把握し、効率的な荷役を行うことで荷役時間を短くし、物流業務全体の効率化を目指す。トラックの待機時間短縮は不要なコストを減らすだけでなく、温室効果ガス(GHG)の排出抑制につながるため、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の達成に貢献する効果も期待できる。受付で車両ナンバーをカメラが読み取る車両ナンバー認証システム導入で、将来は受付担当者を配置することなくトラック入退場が可能な環境を目指している。

(2024/6/6 12:00)

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