(2024/7/17 12:00)
坂本電機製作所(福岡市東区、坂本恒俊社長)は、クレーンやコンベヤーの制御機器やベル・ブザーなど産業用機器を手がける。1990年代に始めた半導体製造装置用の部品製造で、一部のユニット組み立て工程で必要になったことから水準器を開発した。やがて独自のデジタル水準器も製品化。事業の柱にしようと強化している。
デジタル水準器は独自開発の高精度センサーを内蔵。測定してデータを無線送信するセンサーと、データを受信して水平を確認するモニターで構成する。ワイヤレス化と小型・軽量化を実現し、使いやすくした。従来2人で行った作業を1人でこなせる。ロボットアームの上部への設置も可能になった。
センサーの大きさは7・5センチメートル四方で高さ3・5センチメートル。重さは接地面がステンレス製のもので244グラム、アルミニウム製のもので164グラム。モニターはスマートフォンを一回り大きくしたくらいのサイズだ。モニターのデジタル画面上では、縦横2軸で気泡式水準器を見る感覚で水平レベルが分かる。
水準器の製品化は半導体製造装置向けユニットの組み立てを始めた頃、水平測定のため水平調整用治具を開発したのがきっかけ。現在は半導体製造装置の組み立て時や据え付け時の調整にも使用されている。
同社のデジタル水準器について国友建開発部部長は「自分たちの作業の経験からさまざまな機能を反映させた」と胸を張る。国内顧客の9割は半導体関連だ。
半導体製造装置需要は人工知能(AI)の普及などを背景に増加が見込まれる。同社にも商社を通じて、米インテルや韓国サムスン電子、台湾積体電路製造(TSMC)からの引き合いが増加しているという。水準器の売り上げの海外比率は2023年に前年比3倍の30%に膨らんだ。24年は海外の周波数に対応した新モデルもラインアップに加えた。「ニッチな分野に特化して世界市場を目指す」(国友部長)構えだ。
(2024/7/17 12:00)
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