【早読み特選】東大が白ブドウ収穫ロボ開発 カメラで認識、作業精度95%超

(2024/7/17 17:00)

(東京大学提供)

東京大学の西尾卓純助教と深尾隆則教授らは、白ブドウの収穫やジベレリン処理を自動化するロボットを開発した。カメラで白ブドウを認識して薬液に浸したり、穂軸を切って収穫したりする。作業の精度は95%以上。白ブドウは単価が高いためロボットなど新技術を導入しやすい。農業人口減少に対応していく。

  • 白ブドウの収穫(東大提供)

4輪台車に6軸のアームを載せたロボットを開発した。車輪式は農地を荒らしにくい。アームの台座は水平と垂直方向に動き作業範囲を広げる。収穫コンテナは自動交換式で運搬量を増やした。

手先のステレオカメラで白ブドウを認識する。収穫時は穂軸を認識して切断する。ただ穂軸は細く、緑色で背景に溶け込みやすい。そこで、まず画像認識で房を検出して大まかな位置を把握する。左右のカメラ画像に深層学習を適用して視差画像を得る。視差画像から穂軸のある領域を特定して、位置や距離を計算する。

実験では48個の白ブドウを連続収穫して46個の収穫に成功した。2個の失敗はカメラの認識範囲外に穂軸があった。これは再認識をかければ修正できる。ジベレリン処理は房を認識したら薬液を入れたカップを下から伸ばして房を浸す。95%以上の粒で種なし化に成功した。

一般にロボットは導入コストが高いため、付加価値の高い作業や量の多い作業が対象になる。白ブドウは単価が高く、樹形や高さをロボットに合わせて調整できる。農業・食品産業技術総合研究機構の国際競争力強化技術開発プロジェクトで実施した。

(2024/7/17 17:00)

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