(2024/7/22 12:00)
人はレンズ研磨など高度な技量を要する工程に
シグマ(川崎市麻生区、山木和人社長)は、カメラや交換レンズを会津工場(福島県磐梯町)で一貫生産している。同工場は2008年にロボットを導入し、現在は3工程で活用している。今後ロボットを用いた工程の拡大を検討する。
同工場はレンズ加工以外にプラスチック成形、マグネシウム加工、塗装、基板実装、製品組み立て、金型や微小な金属部品の加工まで、ほぼ自前でできる能力を持つ。
初めてロボットを入れたのはレンズのアダプターを加工する工程だった。従来は人が加工機に部品をセットし取り出していたため、加工機1台につき1人が付きっきりで対応しなければならなかった。ロボットを加工機に備え付けた結果、15人必要だった同工程を2人でこなせるようになり、浮いた人員を他工程に振り向けることができた。
次に導入したのはズームリング部品などの表面の感触や見た目、質感を高めるブラスト加工の工程。部品の取り出しや検品、ブラスト加工機への投入などで人を介入させずに済んだ。3カ所目はレーザー刻印工程。輪状のレンズ部品に、絞りリングの目盛りを印字する工程でロボットを用いる。ブレが出ないよう1文字ずつ機械が印字するため、部品一つの作業が終わるまで1分かかり、その間作業者は待機しなければならなかった。ロボットを入れたことで、作業者は待ち時間から解放された。
工場ではメカニック系の作業をできる限りロボットに置き換え、レンズ研磨をはじめとしたアナログ作業が必要な工程に人を充てる方針を掲げる。会津工場長を務める松本伝寿取締役執行役員はロボット化について「高度な技量を要する仕事に人をシフトすることができ、仕事の付加価値を高められている」と手応えを示す。
少子高齢化や若者の都市部への流出で、地方の人手不足はますます深刻化すると予想される。その対策として、シグマは工場でのロボットのさらなる活用を模索する。
(2024/7/22 12:00)
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