【早読み特選】福島高専、堆積物回収アーム搭載の水中ロボ開発へ 原発廃炉作業向け

(2024/7/26 17:00)

【いわき】福島工業高等専門学校機械システム工学科の鈴木茂和教授を中心とするグループは、ロボットアームを搭載した水中クローラーロボットの開発に着手した。重心部にアームを取り付け、水中の堆積物を切断・回収するロボットとなる。2024年度はロボットアームを設置して要素試験を実施。2年目に試作1号機を完成し、3年目で東京電力福島第一原子力発電所での実証を目指す。

  • 水中クローラーロボット(右が試作1号機)

福島県の産学連携ロボット研究開発支援事業に採択された。福島高専とアセンド(茨城県東海村)、いわき鉄工(いわき市)、東日本計算センター(同)など6者で開発する。

6者は23年度までの3年間に県の同事業の補助を受け、水深2―3メートルをクローラーで走行する水中クローラーロボットを2機種開発。いずれも水深5メートルの耐圧試験でも浸水などを起こさず、水中ソナーで障害物の検知が可能なことを立証した。

24年度からこの水中クローラーロボットの重心部にロボットアームを搭載する開発を始める。ロボットアームは3―4軸で動かし、先端部にはグリッパーや切断機を付ける。アームの設計、加工、組み立てはいわき鉄工が担当する。

水深2・5メートルまで走行でき、高放射線環境に耐えるロボットとして福島第一原発の廃炉作業における水中の堆積物回収や、原発タービン建屋の破損した壁の材料回収作業などを見込む。このほか、電力会社などから火力発電所の取水口のパイプに詰まるゴミ回収などの用途で、共同開発の要請があるという。

(2024/7/26 17:00)

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