(2024/7/30 17:00)
雇用情勢が足踏み状態にある。厚生労働省が30日発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月を0・01ポイント下回る1・23倍で、3カ月連続で低下した。企業の人手不足感は強いものの、歴史的な円安に伴う輸入物価の上昇に加え、価格転嫁が進展せず収益悪化から求人を手控える状況が長期化している。
求職者数は5月に比べわずかに増えたが、求人数が減少したことが倍率低下につながった。先行指標である新規求人倍率は2・26倍で前月比0・10ポイント上昇した。新規求職の減少幅が新規求人数を上回ったことが要因だ。
企業の足元の採用意欲を示す新規求人数(原数値)は前年同月比9・4%減だった。5月の同0・6%減からマイナス幅は拡大し、10カ月連続の減少となる。収益悪化から企業が求人を手控える動きに加え、6月は前年同月と比べハローワークの稼働日が2日少なかったことやコロナ禍からの経済正常化を見据えて求人が増加した前年同月からの反動があったことも影響しているという。これにより11業種中、6業種で前年同月比2ケタ減となった。特に建設業のマイナス幅は5月の3・4%減から6月は12・8%減、製造業は同7・4%減から14・6%減に拡大した。
総務省が30日発表した6月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・1ポイント低下の2・5%で、5カ月ぶりに改善した。企業の人手不足感と、より好条件を求める人の転職・求職活動を背景に失業率は低水準で安定している。完全失業者(同)は同6万人減の176万人だった。
(2024/7/30 17:00)
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