(2024/7/30 18:00)
宮崎大学の西頭英起教授らは、脳の認知障害やてんかん発作に関わる新しい仕組みを明らかにした。たんぱく質の合成に関わる小胞体の品質管理に重要なたんぱく質「Derlin―1」が脳で新しい神経細胞が作られ続ける現象「ニューロン新生」の異常を引き起こすことが分かった。同たんぱく質の機能低下が認知障害やてんかん発作などにつながることを見いだした。認知障害やてんかんの病態を改善する創薬につながると期待される。
九州大学との共同研究。成果は30日、欧州科学誌エンボリポーツ電子版に掲載された。
脳内にDerlin―1を持たないマウスを使い、神経幹細胞の増殖やニューロンの産生能力を解析。活発に増える神経幹細胞で増殖の止まった静止状態に戻らず、活性な神経幹細胞の増殖や新しく作られた神経細胞が正しい場所に移動しにくくなることが分かった。神経幹細胞の数が減り、枯渇することが明らかになった。
マウスの脳の機能への影響を調べると、成体ニューロン新生の異常で認知障害やてんかん発作が起こりやすくなった。Derlin―1がない神経幹細胞では、細胞の増殖や分化などの制御に関わるたんぱく質「Stat5b」の発現量が低下していた。脳の神経細胞の増殖や分化に関わる「ヒストン脱アセチル化酵素」の働きを抑える化合物が、低下したStat5bの発現を上昇させて認知障害やてんかん発作の症状を改善できることを解明した。
(2024/7/30 18:00)
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