(2024/8/30 17:00)
「衛星コンステレーション」構築など推進
政府の2025年度予算の概算要求で、宇宙関連が9000億円超となることが分かった。現段階で事項要求としている項目も多く、1兆円近くになる可能性もある。複数の衛星を地球の周囲に配置して活用する「衛星コンステレーション」の構築や30年度に運用を終える軍事通信衛星の後継機の設計・製造などを推進する。
宇宙関連予算は24年度予算までは全府省庁で5000億円となるかが焦点だったが、25年度予算の概算要求は9000億円超と大幅に増えそうだ。府省庁ごとの要求額で最も多いのは、防衛省の5974億円で全体の6割以上を占める。
24年度予算までは例年、文部科学省が府省庁の中でトップの2000億円超を計上していたが、25年度予算の概算要求では防衛省が文科省の3倍近い額を盛り込んだ。衛星コンステの構築や軍事通信衛星の製造だけでなく、戦術人工知能(AI)衛星実証機の試作や次世代防衛技術実証衛星の開発も進める。
文科省は2014億円を計上し、新型の大型基幹ロケット「H3」の開発・高度化や米国主導の国際月探査計画「アルテミス計画」への技術貢献を加速する。
内閣府主導で文科省と経済産業省、総務省と要求する宇宙戦略基金については、全府省合わせて62億円を盛り込む。企業や大学などの技術開発支援を強化する。
宇宙関係予算については、自民党の宇宙・海洋開発特別委員会で提言をまとめており、「現在の約7割増となる毎年度1兆円の確保」が盛り込まれた。25年度予算の概算要求では、気象庁の次期気象衛星など事項要求も多く、計上される金額によっては、1兆円に近い規模に膨らむ可能性もある。
(2024/8/30 17:00)
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