フィンガービジョン、第二の柱開拓へ開発効率化

(2024/9/12 12:00)

  • 視触覚センサーを組み込んだロボットシステム。食品以外からも引き合いが増えている

フィンガービジョンはロボットハンドに取り付ける視触覚センサーが看板技術。1種類のフィンガータイプで柔らかい物や滑りやすい物、形が違う物など、さまざまなワークに対応でき、人の指と同じように「物をつかむ」「つまむ」動作ができる。この特性は対象物の形や大きさが頻繁に変わる食品業界で強みを発揮。唐揚げ弁当やコロッケなどの総菜製造工程向けに、同センサーを組み込んだ盛り付けロボットシステムを開発している。

需要は大きいが、食品分野向けのシステムは一品受注になりやすく、開発費が多くかかって収益を上げにくいのが悩みだ。「ワンコインランチ」に代表される業界のため、低価格化の要求も強い。「現在は売り上げのほぼ100%が食品関係向け」(濃野友紀社長)だが、こうした現状を踏まえて食品以外の客層拡大や用途開発に乗り出している。自動車や電気機器、半導体、薄板素材、物流、医療など想定先は幅広い。

自動車や電気機器の工場では大小さまざまのボルトやナット、バルブといった部品があふれ、多品種を1台で扱える視触覚センサーの技術が活用できるとみている。濃野社長は「食品に続く、第2の柱に育成したい」と話す。展示会の出展を通じて多数の引き合いが来ており、数年後には非食品の売り上げを食品以上に育てたい考えだ。客先ごとの開発では非効率のため、ロボットハンドやカメラシステムも標準品の中から選択するようにして、営業活動を進める。

食品を第1、非食品を第2の柱として第3の柱は宇宙関係を見据える。柱を増やして景気に左右されにくい体質と安定成長を狙う。

(2024/9/12 12:00)

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