(2024/9/20 05:00)
米連邦準備制度理事会(FRB)が約4年半ぶりの利下げを決めた。利下げ幅は通常の2倍に当たる0・5%と、踏み込んだ内容だった。だが想定の範囲内だったためか、19日の東京市場では日米金利差の縮小が意識されず、円安・株高で推移した。
米FRBのパウエル議長は、米国のインフレ率が目標の2%に向かっている「強い確信を得た」とし、大幅な利下げを決断。だが、今回の決断はインフレに対する“勝利宣言”かとの記者の質問は否定していた。
米FRBは雇用情勢の悪化を受けて、金融政策を「引き締め」から「緩和」に転換した。ただインフレ再燃リスクを拭えず、パウエル議長は今回の0・5%の利下げ幅を「新たな利下げペースとみなすべきでない」と市場をけん制していた。
日銀によると、円の購買力を示す実質実効為替レートは、2020年を100とすると直近の7月は68・34に過ぎない。1970年以降で過去最低で、“安いニッポン”の汚名を返上できずにいる。
日本を魅力ある市場に再生し、対日直接投資を拡大することで、円の購買力を引き上げることが求められる。日米の金融政策ばかりでなく、別の視点でも為替レートのあり方を考えたい。
(2024/9/20 05:00)
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