(2024/10/4 12:00)
もともと小説から新書、専門書まで好奇心が赴く分野は読む。業務の参考にするための読書もあり、量産品などに関係する産業機器事業に配属された時にマネジメントやトヨタ生産方式(TPS)に関する書籍を勉強のために読み、三菱自動車に出向した際などに考え方の参考にした。
チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン著『両利きの経営』は三菱重工業の監査等委員会室長を務めていた際、当時のクリスチーナ・アメージャン社外取締役に紹介された。当時、社内でイノベーションをどうすれば起こせるかが話題だったが、一つの回答となったと感じた。「精緻にコストダウンと品質を突き詰める組織はイノベーションに向かないのかもしれない」という点に最も衝撃を受けた。
イノベーションは本業の組織とは別の組織を作り、お金や人、技術を惜しまずに投入することが必要というところも印象に残っている。当社では本業とは別に課外活動的にメンバーを募り、企業ミッション、ビジョンを策定した。本業とは別に課外活動的にやることは大事だが、どう実行するかは今でもテーマだ。
大学生時代に読んだカート・ヴォネガット・ジュニア著『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』は今でも印象に残っている。現在にも通じる米国の職業観や社会の分断が描かれているのは興味深い。物語を通じて、社会の分断を埋めるのは議論や主張ではなく、親切心を持つことにあり、正しさは人それぞれで押しつけないことが必要だ。
常識を覆され、経済学とは何かということを考えさせられたのが岩井克人著『貨幣論』だ。大学生時代に当時助教授だった岩井氏の講義を受講していた。読書が業務や人生観に直結するとは思っていないが、同書を通じて物事の背景や根本にあるアイデアについて考える大切さを感じる。当時から岩井氏の経済学の理論は10年先を行くと言われていたが、現在も同じというところも面白い。
(2024/10/4 12:00)
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