アリアンスペース、新型ロケット年内打ち上げ

(2024/10/4 17:00)

  • アリアン6初号機の打ち上げ(ESAのYouTubeチャンネルより)

欧州宇宙企業のアリアンスペースは新大型ロケット「アリアン6」2号機と低軌道への衛星投入用ロケット「ヴェガC」3号機を仏ギアナ宇宙センターから2024年内にも打ち上げる。アリアン6にはフランスの光学衛星「CSO3」、ヴェガC3号機には欧州連合(EU)と欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星「センチネル1C」を搭載する。打ち上げ機会を増やし、世界の宇宙開発促進に貢献する。

  • アリアンスペースのステファン・イズラエルCEO

アリアン6初号機は7月に打ち上げに成功したが、衛星分離後に推進装置が停止するトラブルが発生。原因究明は完了しており、2号機への改良措置が完了した段階で打ち上げ日時を確定する方針。24年内の打ち上げを目標としている。ヴェガCに関しては、22年に同2号機が打ち上げに失敗し、原因究明を進める上で燃焼試験などを行っていたが打ち上げは実施されていなかった。約2年ぶりの打ち上げ再開を目指す。

アリアン6は大型ロケット「アリアン5」の後継機。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が開発した新型の大型基幹ロケット「H3」と同様、衛星の重さや個数によって補助ロケットや衛星を載せる先端部分のフェアリングをカスタマイズできる。アリアン5ではできなかった衛星の2基同時打ち上げや、上段が軌道から脱離するシステムによってデブリにならない仕組みなどの新たな技術が盛り込まれている。

さらにロケットの上段に再着火が可能なエンジンを搭載していることで静止軌道への円滑な衛星投入が可能となり、低・中軌道を含むユーザーが望むさまざまな軌道に衛星を輸送できるようになった。4日に東京都内で開かれた記者会見で、アリアンスペースのステファン・イズラエル最高経営責任者(CEO)は「当社は欧州を中心に世界中の衛星などを宇宙に輸送しており、これまでに日本の衛星も運んでいる。今後も連携を強めたい」と語った。

(2024/10/4 17:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

集まれ設計1年生!はじめての締結設計

集まれ設計1年生!はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい高速道路の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい高速道路の本

3次元設計手順の課題解決と3DAモデル・DTPDによるものづくり現場活用

3次元設計手順の課題解決と3DAモデル・DTPDによるものづくり現場活用

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン