意欲ある人材募集 トーエネック、男女ともに働きやすい環境づくり

(2024/10/15 12:00)

女性向けリーダー研修

トーエネックが女性社員の活躍を推進している。人手不足が叫ばれる建設業界では、人材の採用や定着が大きな課題。こうした中、人事制度の充実を図り、男女ともに働きやすい環境づくりを進める。女性社員が自身のキャリアを相談できるよう、交流の機会も拡大。女性管理職の登用も積極化させる。出身学部・学科を問わず、意欲のある人材を募集するなど、採用活動にも変化が表れている。

  • 女性社員同士でキャリアの相談ができるメンター制度を充実させている

「勤務形態が柔軟であるほか、現場でも(多様な働き方を)受け入れている」(阪上直樹執行役員人事部長)。トーエネックは会社の原動力となる人への投資や、働く環境の改善に継続的に取り組む。その結果、女性社員比率や採用者の拡大にもつなげている。

人事制度は、社員の声や同業他社の動きを参考に設計。例えば育児に伴う短時間勤務制度は、子どもが小学校6年生の年度末まで取得できるように期間を延長した。年次有給休暇を最大40日まで積み立てできる「積立有給休暇」制度でも、病気のほか、介護、未就学児の看護などのためにも使えるよう使用要件を緩和。不妊治療のために、半日や時間単位で取得できる「ライフサポート休暇」も新設した。

女性が意思決定の場に立つ機会を増やすため2027年度末までに女性管理職比率を全体の4%以上とする目標も掲げる。ただ、自ら管理職へ就くことを望む女性社員は多くないのが現状だという。阪上執行役員は「女性リーダーのロールモデルを作っていくことが重要」と認識する。

その一環として、同社では管理職手前の役職に就く女性社員を対象とした「女性リーダー研修」のほか、女性社員同士のメンター活動を実施する。過去、女性メンター活動に参加した1人は「業務に関わりのない他部署の方と新たに知り合い、人脈を広げることができた。勉強させてもらうことも多かった」と語る。24年度からはメンティの年齢制限をなくし、20―50代までの社員が参加できる体制とした。

  • トーエネックでは技術者を含め、女性社員の活躍が進んでいる(イメージ)

多様な人材の活躍に向けては、採用活動も両輪で進める必要があるが、環境は厳しいようだ。「従来は技術者に理系出身者を採用してきたが、建設業の志望者は少ない。男女問わず、文系出身でもやる気がある人であれば現場で活躍してもらう」(阪上執行役員)。

近年では派遣会社からの人材登用も積極化している。社員としての活躍を希望する人材は従来、特別社員としての雇用期間を経てから社員登用を行っていたが、現場の各部門が認める場合は、早期に社員として登用できるようにした。複数の施策で、人手不足の課題を乗り越える構えだ。

(2024/10/15 12:00)

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