女性役員が当たり前に スズケン取締役上席執行役員 高橋智恵氏

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大学卒業後は、外資系の製薬会社に営業として入社しました。当時、薬学部を卒業した女性は、病院薬剤師や研究所に就職することもあれば、（薬剤師免許を）“嫁入り道具”として結婚する人もいました。結婚後、私は仕事を続ける気でいましたが、周囲からは「寿退社するのですよね」と言われました。波に乗り、仕事を楽しく感じていた時でしたが退社を決意。その後、ご縁があり、スズケンに入社しました。

２０１５年には、全国の営業拠点に配置される管理薬剤師を統括する、薬事管理部長になりました。管理薬剤師は、法律に関する教育や管理・指導を施す役割ですが、営業担当者をはじめ、周囲の理解が必要です。各拠点にいる３００人弱の部下をどうまとめるか不安もありました。そこで部下とは対話を繰り返し、現場の課題を把握することで、問題の解決を図りました。皆が自ら考え、行動する組織になっていったのはうれしかったです。

私も他の部署に対して、自分たちの仕事への理解を求め、管理薬剤師たちが自信を持って仕事ができる環境作りにまい進しました。部下の声を聞き、支え、導く、自分のマネジメントの形が確立されたのもこの時でした。

それまで副部長などを拝命しても、正直「自分がやりたいことはこれなのか」とリーダーに挑戦することへの決心がつかずにいました。部長を拝命した際、周囲から「あなたがやりたいことができるね」と声をかけられ、はっとしました。強い覚悟が芽生えた瞬間でした。

スズケンでは女性の産休・育休制度の拡充はもちろん、男性の育休取得にも力を入れています。また今後は、女性社員だけの新規ビジネス創造プロジェクトにも挑戦します。管理職として頑張りたい女性社員がいれば、研修だけでなく、ビジネスの場でチャンスを与え、成果を出して自信を持たせることが重要です。女性の役員や本部長も当たり前にいる環境を早く作ることが、私の夢であり、残りの会社人生で実現したいテーマでもあります。