(2024/10/18 12:45)
経営学やマーケティング戦略といった経営に直結する本をよく手に取る。経営テクニックに焦点を当てたものが多く、哲学的な経営理念や思想に関しては稲盛和夫氏の著書をよりどころにしている。
『生き方』『考え方』『働き方』が稲森氏の三部作と言われることが多いが、『働き方』の代わりに比較的新しい『心。』を加えて自分なりの三部作としている。この三部作から経営者としての心得や大切な判断基軸を学び、前向きな姿勢に勇気をもらった。
ブリヂストンスポーツ社長を経て日清製粉グループに入社し、2020年に子会社のNBCメッシュテックを任された。当時はコロナ禍で業績が芳しくなく、社員の表情もどことなく暗かった。状況を打破するために、三部作にならって会社のビジョンや経営戦略に環境や社会に対する貢献を組み込んだ。
「豊かな生活づくりと地球環境改善に貢献するマテリアルカンパニー」という経営ビジョンを新設し、太陽電池やイオン透過膜など地球環境に必要なものの関連製品を生産し、さらに高付加価値で差別化できるものを目指した。結果、売り上げも利益も毎年過去最高を更新するようになった。『心。』を読んで、経営者としての心構えを学んだが、経営のマインド面でバイブルとなり支えとなった。
社員とは2カ月に1回、タウンホールミーティングを開催している。稲盛氏の本にある「利他の心」や「社会や社員の幸せ追求」をテーマに取り上げ、自社のコンプライアンス(法令順守)と照らし合わせて議論することもある。2年前から始めたこの取り組みも、全国の拠点や工場で一巡した。回を重ねて、社員一丸となって事業を高めていこうという空気が生まれた。
社員のやる気や幸福度を上げていく時、どのような方法をとるべきか迷うことがある。そのような時は稲盛氏の著書は頼りになる。こういうことを地道にやるしかないのだなと参考しながら、進んでいる。
(2024/10/18 12:45)
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