インタビュー/和田機械 専務・楠郁男氏 技術習得は実践とやる気

(2024/10/22 12:00)

和田機械(高知市、和田徳男社長)は、1968年創業の両頭側面フライス盤メーカー。きさげ技術に強みを持ち、製品開発に生かしてきた。約44年にわたり同社の製造現場を支えてきた楠郁男専務に仕事への思いを聞いた。

―入社から一貫して製造部門。現在も現場に立ち続けています。

「工業高校を卒業した後、高知市内の別の工作機メーカーを経てから、当時はまだ法人化されていなかった和田機械に入社した。フライス盤などの操作や機械の組み立て、工作機械の修理、レトロフィット(修復)、自社製品の仕様など幅広く経験させてもらい、楽しみながら仕事をしてきた。若い頃から利益のことや会社の成長も意識して仕事に取り組んできた」

―技術をどう磨いてきましたか。

「当社は自社製品の両頭フライス盤、オーバーホール・レトロフィット、専用工作機・製造・修理を手がけている。専用工作機は運搬用レールの穴開け機など多種多様で同じ製品はない。ただ技術の根幹は変わらない。基礎を身に付ければ製品開発にも応用がきく。赤字にさえならなければ、難度の高い専用機の設計製作にも断らず挑んできた。そのことで技術を磨くことができたと思っている」

―人材育成のポイントは。

「人の技量には差があるが、理解が早い人には100%は教えないことにしている。教えれば次々できてしまうため、何も考えず言われた事だけするようになる心配があるからだ。8割だけ教えて、残り2割はあえて自身で考えさせる。一方、そうでない人には100%教えて技術を身に付けさせる。その時、上から押しつけてはいけない。技術は実践を積ませることが大事。技術に個人差はあるもの、やる気が重要だ」

―後輩にどのように育ってほしいですか。

「きさげや直角などの精度が出たり、ガイドレールや電子制御盤など良い物を組み合わせたりして良い製品ができると、モノづくりの醍醐味(だいごみ)を感じる。その楽しさの繰り返しが経験となり、今の私につながっている。だから社員にはやればできると言い続けている。壁にぶつかったら誰かに聞き、自身を成長させてほしい」

(2024/10/22 12:00)

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