(2024/10/22 12:00)
建築科卒の技術系で入社後は設計部門に配属されて、作業着でヘルメットを被って施工現場にも行きました。その後は技術支援を挟み、企画部門で家庭用燃料電池の市場導入や事業推進などを手がけました。企画に長くいると現場の感覚から遠ざかってしまうのではと思い、その後自ら営業に異動希望を出しました。
30代半ばに家庭用営業部門のチームリーダーに就いた時に、初めて会社で挫折を感じました。部下はほとんどが年上のたたき上げ男性。私は初めての営業で初の女性リーダー。「どうせ企画部門から来たお飾りだろう」と思われていたのか、アウェー感を味わいました。自分の言葉がみんなに届かない。部下の信頼も得られない。どうすれば信頼されるのかと悩みました。
いろいろな人と話をしたり本も読んだりもしました。言葉の一つひとつが響いたドラッカーの『マネジメント』は今もバイブルです。チームを支えるために私が何をすべきかを考える日々でした。
一緒に仕事をしていくうちに徐々に心を開いてもらえ、最終的には仕事がうまくいくとお互いにハイタッチするまでの関係を築くことができました。当時のチームの仲間から飲み会に誘われると特にうれしくなります。仕事のやり方や考え方が大きく変わり、今思えばこれが私の転機だったと思います。
今もマネジメントで悩むことは多々ありますが「悩まなくなったらダメ。自分が全て正しいと思ってしまうから」という昔聞いた言葉が心に残っています。マネジメントに正解なんてない。試行錯誤して反省を繰り返しながら進む真摯(しんし)な姿勢が大切だと思います。
今、女性の活躍推進が叫ばれていますが、「女性活躍推進」=「男性の働き方改革」だと思っています。「女性頑張れ」じゃない。男性も家事や育児を分担することで女性が社会で働ける。男性が育児休暇などを取得しやすい社会にすることが、女性の活躍につながると考えています。
(2024/10/22 12:00)
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