インタビュー/応緑企画部部長・橋本茂幸氏 ゲート企画化、特殊案件の受注拡大

(2024/11/6 12:00)

応緑(兵庫県姫路市、河越祥郎社長)は、ゲート事業とハウジング事業を2本柱とする創業52年のモノづくり企業だ。2021年に企画部を創設し、技術力を生かしたビジネスモデルの構築を進めて業績拡大を図っている。取り組みについて橋本茂幸企画部部長に聞いた。

―主力のゲート事業の強みは。

「現場ごとの特殊性に応じたオーダーメードのゲートの提供を事業方針に掲げている。米ASTM規格の耐衝撃性を備えた世界最高強度を誇るゲートなど、多様な製品を手がけられる技術力がある。設計開発や製造に加えて、施工も自社で行っている。施工の精度はゲート品質を大きく左右する。誤差0・5ミリメートルほどで設置する独自技術を生かして、故障しにくいゲートを実現している」

―21年に企画部を立ち上げた狙いは。

「空港用ゲートなどの特殊事例を請け負った実績はあったものの、事業の業績が伸び悩んでいた。そこで企画部を立ち上げて自社技術を明確化し、宣伝活動や技術を生かした商品企画化を始めた。さらに市場分析を基に潜在ニーズの掘り起こしも進めてきた。現在では、テロ対策などで高度な物理的セキュリティーが求められる自衛隊や米軍の基地、データセンター向け案件の受注につながっている」

―事業の拡大には人材力が欠かせません。

「『経験のないことでもやってみよう』という従業員のチャレンジ精神や姿勢を共有できているのが当社の強みだ。オーダーメードの製品づくりでは、その都度アイデアを考えて形にする応用力が求められる。オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)をベースにして人材育成に努めている」

―後継者問題への対策も進めています。

「60代や70代の社員が会社をけん引しているところもあり、彼らの経験やノウハウの見える化に取り組んでいる。設計部門では、条件を設定すれば図面や見積もりを自動で出力する独自の作図システムを開発中だ。手書きで2日ほどかかった作成が10分ほどで完成するようになる。各部門のノウハウをCADや資料に落とし込むことで、技術伝承を図っている」

(2024/11/6 12:00)

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