TPR、高摩耗性・体摩擦の表面処理技術で自動車以外も開拓

(2024/11/6 12:00)

  • DLCコーティングを機械部品や住宅・日用品といった自動車以外の分野に展開する

TPRはピストンリングやシリンダーライナーなどのエンジン部品を手がける。これら重要部品の精度や耐久性、低燃費化の一役を担っているのが高耐摩耗・低摩擦の表面処理技術だ。摺動(しゅうどう)部に施すことで機能の向上や長寿命化、メンテナンス費用削減などの効果が得られる。最近では機能性に着目し、機械部品や住宅・日用品といった自動車以外の新規開拓にも取り組んでいる。

同社が手がける高機能ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングは、エンジン部品に採用される高耐摩耗性・低摩擦特性の硬質被膜。被膜硬度(ビッカース硬さ)は1500―2000で、基材との密着性に優れ曲げても剥がれにくい。最大膜厚10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)と厚膜化が可能で基材の長寿命化が図れる。

ステンレスやアルミニウムなどの金属をはじめ、樹脂や超硬合金、セラミックス、ガラスなどにも適用可能。また絶縁体に除電性を付与して帯電や紙などの付着をなくすことや、水あか・油の付着抑制など防汚性も発揮する。

同社は1939年の設立以来、自動車を中心とする輸送機器、産業機器に重要部品を提供してきた。既存事業で培った技術から新事業を創出するため、2021年に技術センター(長野県岡谷市)内に「CASE対応開発部」を設置し、事業化を検討。DLCコーティングは同部を中心に、成膜装置がある長野工場(同)と連携して対応する。「顧客のニーズに合わせて膜質を調整することが可能」(技術センターCASE対応開発部)だ。

同社ではピストンリングやシリンダーライナーなどを「パワートレイン分野」、ゴム・樹脂製品や電気自動車(EV)関連商品などを「フロンティア分野」と位置付け、「フロンティア分野に投資を充て技術開発を大きく進める」(矢野和美社長)方針。DLCコーティングも新規プロジェクトの一つで、今後も持続的な成長に向け事業化に取り組む。

(2024/11/6 12:00)

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