熱硬化性樹脂加工 仲田電機、精密成形・自動化へ装置自社開発

(2024/11/27 12:00)

  • 自動バリ取り機や画像検査機も独自に開発した

仲田電機(兵庫県加西市、仲田五郎社長)は、1958年の設立以来、自動車電装品向けを中心に多様な樹脂成形部品を提供している。強みは熱硬化性樹脂の加工技術だ。熱硬化性樹脂の成形は一般的に高い技術力とコストが必要とされるため、手がける企業が多くないという。

多くの企業が熱可塑性樹脂成形をメーンとする中、取引先から「欠かせない存在」として評価されている。仲田社長は「熱硬化性樹脂成形を得意とする企業は樹脂成形業者全体の1―2割程度だろう」と説明。この強みを生かし、今後の新規事業として熱硬化性樹脂ボルト・ナットの製品開発に力を注ぐ考えだ。「熱硬化性材料の特性を生かせる部分で使ってもらいたい」と仲田社長は語る。

生産現場における自動化の進展を背景に、同社は成形工程で発生したバリを自動で除去する装置など省力化に向けた独自システムの開発にも取り組む。一方、ノウハウと経験を重視したモノづくりにも余念がなく「当社も自動化を進めているが、熱硬化性樹脂成形の工程に関わる自動化は簡単ではない。機械・設備がいくら進展してもそれを扱う作業者の経験が伴わなければ、品質向上は実現しない」(仲田社長)と強調する。

こうした独自システムの開発と経験を生かしたモノづくりの取り組みが、厳しい寸法精度を求められる精密成形を可能にしている。現在、歯周病の検査装置向けなど医療機器関連分野の引き合いが増えている。既に進めている案件もあり「うまくいけばメーンの熱硬化性樹脂部品に加え、売り上げのもう一つの柱になる」(同)と期待する。

同社は現在、工場拡張工事中で2025年7月末の完成を予定する。新工場棟では従来の熱硬化性エリアに加え医療機器関連エリアを新設し、新たに成形機を10台、付帯設備も10台導入する。今後見込まれる医療機器関連部品の需要増に向け、生産体制を強化する考えだ。

(2024/11/27 12:00)

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