産業春秋/中国の短期ビザ免除も懸念尽きず

(2024/11/27 05:00)

中国政府は30日から日本人向け短期滞在ビザ(査証)の免除措置を再開する。コロナ禍で停止していた免除が約4年8カ月ぶりに再開され、ビジネスや観光などで日中の交流が活発化するか注視したい。

対日姿勢がやや軟化した背景には、想定される米中対立の激化と、自国経済の停滞がある。トランプ米次期政権を見据え、西側諸国との関係改善を急いでいるほか、外国企業の対中投資を促したい思惑がうかがえる。

停滞する中国の市場に妙味はあるだろうか。中国に進出する日系企業で構成する中国日本商会のアンケートによると、2024年の中国の景況は「悪化」「やや悪化」が64%を占めており、7月の調査より4ポイント増えた。

外国企業による対中直接投資も、7―9月は81億ドル(約1・2兆円)のマイナスで、中国から海外に流出するマネーの方が多い。習近平国家主席は日本のほか、欧州の首脳とも相次ぎ会談したが、どこまで投資を呼び込めるかは楽観できない。

日中には課題が山積する。改正反スパイ法は、日本企業のビジネス環境を脅かす。日本産水産物の輸入再開の時期や日本人男児殺害の動機も明らかにされていない。短期ビザ免除に続く中国の対応が待たれる。

(2024/11/27 05:00)

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