日展コーポレーション、浸水対策で機械設備を止水スペースに

(2024/11/28 12:00)

  • 工場の設備周りに設置した止水板

日展コーポレーションは大雨による工場の浸水被害の経験から止水板の設置などの水害対策を2023年に実施した。現在では天気予報に基づく車両や資機材の移動を含めた備えが定着し、工場の整理整頓にもつながっている。今後は台風への対応を進め、「事業継続力強化計画」を更新する予定だ。

過去の浸水では設備や車両などへの被害を受けた。機械が使えなくなったことが業務に大きく影響した。

止水板は当初、工場全体への設置を検討したが費用面で断念し、移動が困難な機械の周りに限定して設置した。対象スペースには新たなコンクリート壁を設けて防水塗装を行い、万一のため排水機能も設けた。費用については久留米商工会議所に相談し、補助金を活用できた。

工場ではコンセントの位置を床から1メートルほどの高さに上げた。床に置いていた設備は棚に置くようにした。移動可能な棚にはキャスターを付けて止水板のスペース内に移せるようにした。止水板のセットや棚の移動は天気予報を見て早めに判断する。「水は来始めたら早い」(真田知幸社長)からだ。工場と同じ市内の高台に倉庫を確保して車両を置けるようにもした。

過去の浸水被害では「お客さまを待たせてはならない」(同)と一部の業務を外注した。それが可能だったのは九州一円の業者との協力関係を構築していたためだ。受注した仕事の現場が遠隔地の場合、そこに近い業者の協力を得ることがあった。今後も「ウィンウィンの関係が前提」(同)としながら協力企業のネットワークを拡充していく考えだ。

(2024/11/28 12:00)

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