UBEマシナリー ギガキャスト対応大型機械 型締め力9000トン

(2024/12/4 12:00)

  • 型締め力6500トンの大型ダイカストマシン「UB6500iV2」。これを超える同9000トンの機械を開発した

UBEマシナリー(山口県宇部市、宮内浩典社長)は、自動車の車体部品などを溶融アルミニウムと巨大金型で一体成形するダイカスト技術「ギガキャスト」に対応する大型機械を手がける。型締め力6500トンの機械は開発・発売していたが、このほど国内最大級の同9000トンの機械を開発した。長年の技術力を活用した。

ギガキャスト対応機の開発は2020年春に着手した。米電気自動車(EV)大手テスラがギガキャストを導入し、欧州のダイカスト装置メーカーが型締め力4000―6000トン級を訴求し始めた頃だった。

一方、日系メーカー向けが多いUBEマシナリーでは同3000―3500トン級の引き合いが長く続いてきた。ギガキャストの知見が豊富ではないものの、同4000トンや同6500トンの機械を形にした実績はあった。山根隆取締役は「約20年前の資料など、あるものをフル活用して検討を重ねた」と振り返る。

試行錯誤の末、型締め力を従来比約38%増の9000トンに高めた。機械の大型化に伴って構成部品を大きくし、管路やモーターなどは数を増やした。ただ、それらの一部は購入品であり、規格上の制限がある。そこで据え付け後の使いやすさも考慮し、金型を直接的に締める「2枚プラテン方式」を採用した。

山根取締役は「ほぼゼロから(の開発)だったが、我々に向いているサイズだった」という。生産する本社工場は橋梁などの巨大製品を手がけている。海に面しており、近くの護岸から船による搬出入が可能。大型機械の出荷がしやすい。

ギガキャストは何十個もの部品で構成していた車体部品を一度で成形する手法として注目度が高い。一方、従来よりも格段に大きく重い金型に対応したクレーンが必要になるなど、導入には生産ラインの変更が伴う。同社としては機械自体の軽量化や、金型の自動交換の提案など、使いやすさを今後も追求する方針だ。

(2024/12/4 12:00)

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