インタビュー/櫻製作所 生産管理部次長・瀬戸口正一氏 品質と効率化の両立追及

(2024/12/19 12:00)

―化学プラント向け装置などを得意としています。生産現場で課題になっていることは。

「関西地方を中心に110件の調達先がある。当社は主に完成品の組み立てを手がけるが、長尺の旋盤加工などでは、古くからの業者が減っている。若い職人を発掘する重要性が増しており、探す範囲が広くなっている。教育も兼ねて、部下と一緒に足を運ぶこともある」

―調達の方針は。

「主にコスト低減だ。必要なものは当社で安価に大量購入し、委託業者に加工してもらっている。相見積もりを取るのが基本だ」

―品質とのバランスで難しい場合もあるのではないですか。

「最近は設計の見直しに取り組み、部品点数の削減や加工のしやすさを追求している。例えば、昔だと丸い材料の表面を少しだけ削ってきれいにする工程があったが、今はきれいな状態で入ってくる。そうしたことを、一つずつ効率化に反映できるように、設計担当者などと話し合っている」

―事業継続計画(BCP)の観点での取り組みは。

「主要部品の在庫を増やしている。一時よりも不足感が落ち着いてきたが、電子部品は2022年ごろから多めにしている。他にも、同じ部品であっても調達先を複数化した。部品がないだけで迷惑がかからないようにしたい」

  • 櫻製作所が手がけるプラント機器「スケアミキサーユニット」

―国際情勢の影響を受けますか。

「調達先のほとんどは国内だが輸入している一部が為替の影響を受ける。中には国内で買ったほうがよい部品も出てきた。例えば流体の圧力を分散するための『逃がし弁』は米国から買ってくるが、徐々に値上がりし、一昨年前と比べ1万―5万円も高くなった」

―調達先の切り替えは。

「コストパフォーマンスがよいものを海外でも調達可能にしようと動き出した。このほど20代後半の3人の外国人を正社員として採用した。出身地はインドネシアとタイ、中国で、英語も日本語も堪能だ。普段は営業担当だが、言葉の面などで調達にも協力してもらう」

(2024/12/19 12:00)

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